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52間の縁側

おばあちゃんたちとカラオケ三昧?! “52間の縁側”のキーとなった土地のストーリー/daibeam代表・宮本尚徳さん


“ironna(イロンナ)”は、地域共生をテーマに地域のいろんな人やいろんなことを取材していくメディアです。千葉県八千代市に誕生予定の施設 “ごじゅうにけんのえんがわ” ができるまでにも密着していきます。

今回は、プロジェクトの拠点・千葉県八千代市米本の土地に繋がるまでのストーリーを”超地元密着型不動産屋・daibeam”代表の宮本さんに取材します。

※説明書きの特にないものはイメージ写真です。


★プロジェクト「52間の縁側」とは?

「52間の縁側(ごじゅうにけんのえんがわ)」は、「第3のいしいさん家」とNPO法人わっかがタッグを組んで始まった、「高齢者・障害をもつ人・生きづらさを抱える人・ファミリー・みんなの居場所」を作るプロジェクト。


介護施設としてデイサービス、日中一時支援をするほか、子どもの遊び場、共助カフェ、障害や生きづらさを抱える人の就職支援など「取りこぼしのない支援」を目指す施設です。


名前は「52間=94m」(1間は1.818m)におよぶ長い縁側の設計から。
プロジェクトについてさらに読む>

宮本尚徳(みやもと・ひさのり) 
株式会社daibeam(ダイビーム)代表取締役。宅地建物取引士。
「友人からの紹介のみ」「お客様みな友人」とも言える、地域に超密着したスタイルの不動産事業を行っている。奥様はNPO法人「わっか」理事長の亜佳音さん。
http://daibeam.com/

「面白い不動産屋」の誕生


地元で13年目の不動産屋さんということですが、どのようにして誕生したんですか。


「もともと不動産の会社でセールスをしていて、もっと違うやり方で不動産を扱いたいなと思っていました。

営業マンと言えばスーツを着て、物件のいいところを勧めて、契約を勝ちとるみたいなイメージがありますが、”営業マン”と”お客様”の間には結構な距離があるんです。

で、あるときからお客さんをお客さんと思わないようにした。友達みたいな、もっと近い距離の人として見てみると、その人のことをもっと踏み込んで共有できるようになって、みるみるうちにトップセールスになった。こういうスタイルでもっとやっていけたら、と思ったんです」

−独立されてからはいかがでしたか。


「店構えこそ雑貨屋みたいな雰囲気ですが、一般的な不動産屋さんのようにノボリ(旗)を立てて看板を出して、スーツを着て仕事していました。収入を得なきゃ、という心配があったんだと思います。

当時の店舗の外観。最初はスーツを着て「普通の営業」をしていた


でも、奥さんに怒られたんですよ。それがやりたかったことなの?って。
既存のやり方にちょっと疑問を感じていたはずなのに、同じことしてて、それでいいのって。」

−亜佳音さんに怒られた。

「それで思い切って決めたんです。お客さんをお客さんと思わず、友達になっちゃうスタイルだけで行こう!と。

契約を勧めるというより、結局買うも買わないもその人次第だから、友達になって色々話をして、その中で何かできることがあればサポートする。

人っていろんな人生があって、土地に関してもいろんなストーリーとか思いがありますよね。いい出会いがあって契約できればいいけど、なかなか見つからない人もいる。物件探しっていろんな事情が複雑に絡み合っていて、その中でも特に変わってて、面白い人や物件がここにたどり着くのかもしれないです(笑)


−そんな中で、「いしいさんち」の石井さんが来訪された。

「”第3のいしいさんち”の土地を探しているということでしたが、最初はよくあるような介護施設を建てるんだと思っていたんです。でも、よくよく話を聞くと、すんごくオリジナリティーがあって思いがあるんだとわかってきた。
歳が同じで、ラグビーをやっていたという共通点もあったので、すぐに距離が近くなりましたね。

僕は土地を探す時、自分自身が住んだり商売したりするつもりで見るんです。今回のプロジェクトなら、自分も運営に加わるくらいの濃い気持ちで話を聞きました。」

おじいちゃんおばあちゃんを通した「土地」との出会い


−「土地」のほうとは、どんな出会いがあったんですか。


今回の土地のあった八千代市の米本という場所は、URの大きな団地があって高齢者もたくさんいるところ。数年前からおじいちゃんおばあちゃんとの人間関係づくりをしてきていたんです。


話をするうちに仲良くなって、だんだんカラオケとかに誘われるようになって。おじいちゃんたち昼間寝ているからすごく元気なんですよ(笑)。お酒も飲むし、たくさん歌う。この数年で何度カラオケに行って、”この歌手がいいから!!”って何枚CD買わされたかわかんないです(笑)


−とっても濃いコミュニケーションですね!


「その中で話に出てきたのが今回の土地で、見に行ってみたら、いしいさんのビジョンに本当にぴったり合いそうだった。想像の範囲を飛び越えてきたというか、おじいちゃんおばあちゃんが歩いてたり、子供が遊んでたり、作業しつつ空を見上げる自分がそこにいるように見えたんです。

加えて、米本は障がいを持つ人のための施設や、生活介護施設がすでにある。ここにいしいさんちも来ることで、”介護”や”支援”がキーワードになるエリアになっていくのかなとも思いました。

竹やぶがあるんですが、いしいさんが初めて見にきた時はこの竹を通して注ぐ太陽の光がすごく綺麗で。イメージが湧いたようで、ここに建てることに決まりました」

竹藪を視察する石井さん。イメージを思い浮かべています


誰一人「やめようか」と言わなかったのは、イメージの共有ができていたから


−そんなに強烈にイメージできるほどの土地だったんですね。


(後ろで聞いていた亜佳音さん)「みんなあの土地を見て同じような想像が自然とできているんです。大変なこともあるけど、誰もやめるとは言わずになんとか乗り越えてきてるのはこのイメージの共有が大きいのかもしれないです」


尚徳さん「みんな家にしても部屋にしても、イメージができない場所は絶対買わないですよね。自分がその中で過ごしてる、生きてるイメージが湧いてきたときに一歩踏み出す。原動力として”イメージ、ビジョン”ってとても力強いですよね」


−石井さんや建築士の山﨑健太郎さんとも、近いビジョンを持っているということですね。


「山﨑さんも元々地域に対する愛が深くて、どこまでも”人”の視点で設計をする人。石井さんと化学反応してしてもらったら面白いんじゃないかと思って紹介しました。


僕たち、みんな変態だと思うんですよ。型にはまらないし、今までの価値観を変えたいと思っている。それを僕は不動産で、いしいさんは介護で、山崎さんは建築でやっていこうとしている気がします。」


亜佳音「変態だからこそ、できることなのかもしれないよね。笑」


−お話を聞くにつれ、”出会うべくして” “この人だからこそ”という強烈な個性と思いがクリアに浮かび上がってくる”52間の縁側”プロジェクト。手から手へ、それぞれの役割が伝播していくのがわかります。そんな思いをつなげる”米本の土地”についてはこちらでご紹介しています。




編集後期

取材・編集/きょん
八千代市在住5年の地元密着Webデザイナー&ライター。ADHDとうまく付き合いながら働く幼児2人の母です。
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