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52間の縁側

アトリエティエラアスールのアイキャッチ
廃材はきらきらの宝箱!アートを主軸に、街全体で子育てを行う「レミダ」とは? #52間の縁側


福祉施設”52間の縁側”ができるまでに密着するironna(イロンナ)メディア。
今回はプロジェクトメンバーが佐倉市のアトリエにお伺いし、廃材を利用したアートの取り組みについてお話を伺いました。
子供の頃、木の実や綺麗なかけらを宝物のように集めたことはありませんでしたか…?

@pinecorn_wkさまご提供

★プロジェクト「52間の縁側」とは?

「52間の縁側(ごじゅうにけんのえんがわ)」は、「第3のいしいさん家」とNPO法人わっかがタッグを組んで始まった、「高齢者・障害をもつ人・生きづらさを抱える人・ファミリー・みんなの居場所」を作るプロジェクト。


介護施設としてデイサービス、日中一時支援をするほか、子どもの遊び場、共助カフェ、障害や生きづらさを抱える人の就職支援など「取りこぼしのない支援」を目指す施設です。


名前は「52間=94m」(1間は1.818m)におよぶ長い縁側の設計から。
プロジェクトについてさらに読む>

52間の縁側のモデル


まえがき:なぜアトリエに?

前回の記事で、廃材を商品として地域でよみがえらせる「SPOTプロジェクト」をご紹介しました。

地捨・地産って?地域を知って、もっと楽しく。 SPOTプロジェクトをご紹介
https://ironna.org/koto/spot_project/

プロジェクトを進める中で、地域で出る廃材がとても多くあること、そして海外で「廃材のアート・教育利用に街全体で取り組んでいる」例があることを発見。
52間の縁側にも、廃材倉庫を作ったり、廃材アートのできる場所を取り入れていったら?との思いを持って、実際に取り組みをしているアトリエにお伺いしました!

アトリエ「ティエラ アスール」


スペイン語で「青い地球」を表すお名前のこのアトリエは、20年前にスタートした子供向けの造形教室。ゆったりとした雰囲気の佐倉市の森の中にあり、久本さんご夫婦が2人で営まれています。


お名前通りの青い空の下、アトリエの前にはニワトリ小屋があり、元気に子供たちがニワトリをだっこしたり、アトリエの前の手作りブランコに揺られたり。
こんな空間で生み出されるアートに多くの人が魅力を感じ、大変人気のある教室となっています。

イタリア・レッジョ市のアートな廃材倉庫「レミダ」

久本さん夫妻がアイディアを得たのが、レッジョ市が街全体で取り組む「REMIDA(レミダ)」を使った造形創作です。レミダは、市とNPOが共同で運営しているリサイクルセンター。街にある複数の企業(MAXMARAなどのアパレルブランドも)が使わなくなった布や毛糸などを納入し、素材倉庫として管理されています。

写真はイメージです


レミダという名前には「やがて黄金に変わるもの」、つまり「この廃材を利用してすてきなものに再生しよう」というメッセージが込められています。廃材は全ての市立保育所・幼稚園に配られ、子供たちの想像力や構築力を養うために使われます。

市民も年パスを購入すれば利用可能。元々教師やアトリエニスタ(造形専門の先生)だったシニアが中心になって運営しているそうです。

アトリエの久本さん(左)にお話を聞く「いしいさん家」の石井さん、「わっか」の宮本さん、建築家の山﨑さん


年1度の”レミダデー”では、作品の発表の場として街中が作品で埋めて尽くされるそう。街のビッグイベントとして、大人も子供もみんなで準備します。子供たちは地域の人々から称賛や祝福を受け、市民の一員であるという自信や、共同性を自然と育まれていくようです。


「作品として街に戻っていくようなイメージだと思います。幼稚園だけとか習い事だけとかではなく、企業も大人も加わった地域全体でレミダに関わり、循環しているんですね」と久本さんは話します。


アトリエでのレミダ的取り組みとは?


さて、いよいよ実際にアトリエに入ると、壁一面に「廃材」=「アート素材」が収納されています。

引き出しいっぱいに素材が詰まっている


ジャンルごとに引き出しに整理されていて、何かのパーツや木片など、大人なら首をかしげてしまいそうな「役に立たなそうなもの」もたくさん。

 
久本さん「廃材は知り合いや、つながりのある事業者が持ってきてくれたりします。建築事務所からの廃材なんて、まさに「宝箱」。 子供たちは目を輝かせるし、サンプルセットなんかはそのまま持って帰りたいという子もいますね(笑)壁紙見本をドールハウスの壁に使ったり、小さなパネルのサンプルを瓦のように重ねて家を作ったり。」

見本とか、事務所だと古いのはどんどん捨てなくちゃいけないんだけど、たしかに面白い素材だな…と建築家の山﨑健太郎さん。

このアトリエにとても刺激を得たと話す山﨑さん。


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