ironna with いしいさん家

MENU

いろんな人がいていい、多様性があっていい。「第3のいしいさん家」52間の縁側プロジェクト基本情報

ironnaメディアをご覧いただき、ありがとうございます!
イロンナ人やイロンナものを取材・紹介していくこの場所では、千葉県八千代市に誕生予定の施設 “ごじゅうにけんのえんがわ” ができるまでにも密着していきます。


ここではまず「いしいさん家」とNPO法人「わっか」が協力してスタートしたこのプロジェクトをご紹介します。どんなことが始まっているのかな…?

多様性がテーマの「家」?


いろんな人がいていい、多様性があっていい。”52間の縁側”はそんな考えのもと、「高齢者・障害を持つ人・こどもも大人もみんなの居場所」として取りこぼしのない支援を目指す施設です。


介護施設:デイサービス、日中一時支援など

ここは宅老所をすでに2軒運営している、「いしいさん家」の得意分野です。宅老所というのは、小規模運営している福祉サービス。大規模なケア施設とは違った、運営者それぞれのカラーで切り盛りされています。

高齢者だけではなく、生きづらさを抱えた人の支援や子供たちの居場所にもなっているいしいさん家については、「いしいさん家とは?」にご紹介していますので覗いてみてくださいね。

子供たちに読み聞かせをしてくれているおばあちゃん。


子供、ファミリーなどへの支援:遊び場、子供食堂、共助カフェ

こちらは主にNPO法人の「わっか」の得意分野です。自然と触れ合えるスポットのほか、様々なワークショップや仕掛けによる交流。ふらりと立ち寄れるカフェや、みんなで食事を楽しめるキッチンなども予定されています。

52間の縁側プロジェクトの説明図
イメージ図



なぜ「52間の縁側」という名前なの?


「ごじゅうにけんのえんがわ」は設計を行った建築士・山﨑健太郎さんによって命名された、この施設の建物の名前です。

“縁側”というのは昔懐かしい日本家屋によくある、細長いテラスのような場所ですよね。サザエさんの家でよくタマがお昼寝をしているあの場所です。

廊下として”部屋と部屋をつなぐ場所“でもあり、”外と中をつなぐ場所“でもある縁側。それが長く長くなんと94mも続くように設計されていて、昔の単位の「間(けん)」に換算すると52間になるそうです。

建物の模型。

52間の縁側の設計は、(株)鹿島出版会の実施するコンテスト”SDレビュー”の2016年入選作品になり、六本木・森美術館を初め様々な場所で展示されました。(→SDレビュー2016公式サイト)  



前方に林があり、建屋のすぐ前に子どもたちの遊べる”じゃぶじゃぶ池”という浅い池が作られます。畑や果樹なども作る予定だそう。ぜひ内装を動画でご覧になってみてください。長い長い縁側、どのようにみなさんが過ごすのかとても楽しみになってきます。



当サイトではインタビューの他、土地や建設の様子などもできるだけ掲載していきます。地域の方も、遠方の方も。完成までの物語を、ぜひいろんな皆様と共有していけたら、とても嬉しく思います。

全ての始まり、発起人の「いしいさん家」いしいさん・「わっか」宮本さんの対談はこちらから。



取材・編集/きょん
八千代市在住5年の地元密着Webデザイナー&ライター。ADHDとうまく付き合いながら働く幼児2人の母です。

新川の流れと自然に惹かれて居住地に選んだ八千代市ですが、実は地域のことってあまり知らない。八千代市って、特に何にもない…?と先日まで思っていました。でも、実はいろんな面白い人がいて、いろんな活動をしているみたいなんです。

地域で何が起こっているかわかってきたら、解像度の高く街を見渡せたら、少し気持ちが変わるかも。そんな気持ちで、今日も取材をしてきます。
Twitter  Instagram  note

“僕は、背骨になるようなものをつくりたい” 建築家 山﨑健太郎さんインタビュー(後編) #52間の縁側


福祉施設”52間の縁側”ができるまでに密着するironna(イロンナ)メディア。
前回の山﨑健太郎さんインタビュー後編をお送りします。

前編はこちらから

「オモテじゃない場所」にあるこだわり


−建物内はスカスカさせてるとのことでしたが、こだわったところはありますか?

健太郎「中もだけど、外や縁側の下の空間もいろんな使い方をしてもらえると面白いなと思っていて。湧き水がたまる池や、縁側は板を目透かし(隙間を開けて配置)にして、風が吹いたら抜けていくようにしています。僕ロマンチックだから(笑)、そういうオモテじゃない場所も大事にしてます


「普段はオモテになる場所=メインになるリビングのような場所を求められるけど、案外このいしいさん家は”ほっといてくれる場所”とか…2人になれたり、隠れたくなる、ロマンチックになれる場所が大事なんじゃないかなと思っています。散り散りになっているけどみんな一緒の空間にいる感じを作りたい、というか。それがここの”背骨みたいなもの”かな。

僕がやったことは、と聞かれたらそういうことかも知れないです。あとは…知らない(笑)

(一同笑)


「一緒にいる感じはあまりしないけど、同じ方向を向く。向こうの端にいる人のことは感じられないんだけど、屋根がずっとつながっているからこの先には誰かが座ってるんだろう、という感じがいいかなと思って。それくらいですね」


この場所を「いい場所」にしたかった


健太郎「で、あとは期待を込めてなんだけど、照明を池に一応入れてあって

一同「えっ?」

書類を取り出した健太郎さん
池の周りに照明を入れ、こんな感じになるとのこと


石井・亜佳音「こんなのはじめて見た!!

健太郎「夜オープンしてるかどうかにかかわらず、点けておくといいなと思って。縁側の裏に水面が映り込むように工夫しました。

ただのかくれんぼする場所じゃなくて、この場所をちゃんと”いい場所”にしたかった。勝手な妄想だけど、ロマンチックな方がいいじゃない?おじいちゃんか誰かがもしいるんなら、ここでのんびりしたり。」

亜佳音「おじいちゃんおばあちゃんもデートするかも…」


健太郎「快適な温度って26度くらいとされているけど、空調でセットされた26度より、外の夜の風が吹いてる26度の方が気持ちいいと個人的な感覚で思うんです。恋が芽生えやすかったりさ…。石井さんはまあ関係ないかも知れないけど(笑)」


石井「笑」

地域全体をつなぐ場所へ


亜佳音「ここは八千代全体のハブ(中継地点、つなぐ場所)になる場所になりそうな気がしてる。みんなが関わって出ていく、関わって出ていくの輪が回るというか。」


健太郎「普通のデイサービスとか、みんなの居場所ができるとか、この場所にはどうやらそれ以上のものがありそうだね。」


石井「看取りもそこでやるつもりなんだけどね。看取りって、病院だと亡くなったら白い装束を着て裏から出ていくでしょ。ちょっと堅苦しかったり、怖かったり。


でも、いつも言うけど、老いや死は日常なんだよね。誰にでも起こりうるし人って老いていくというのを、子供もそうだし保護者の人にも、肌で感じて欲しいね。」

そうした泥臭さというのかな。
人間味あふれるというのかな。
泣き笑いがある「ありがとう」というのが
自然な看取りなんだと思う。

いしいさんブログ”いしいさん家便り”より
http://blog.livedoor.jp/ishiisanchi/archives/57261745.html


久本「うちにニワトリがいますが、オスが生まれるとさばいて、命をいただくことを子供たちは学ぶんですね。虫やザリガニを捕まえて飼ってみたりして、子供って結構”生きる/死ぬ”と近いところで生きている気がします。その感覚の中に”人”が入ってくるのは、とても意味深い。」


健太郎「そういう意識って、なかなか説教くさくやるわけにいかないですよね。一番は立ち会ったり一緒に時間を過ごしてもらうのが大事だけど、まずどうやったら自然に楽しんで入ってきてもらえるかというのが重要になってくるね。」




亜佳音「そのための”ヤルシェ!”(やちよ農業交流センターで毎年5月に開催されるイベント)だと思ってます。

“ヤルシェ!”2020年はコロナ禍で中止でしたが、2012年から7年に渡って開催されています


毎年、障害を持っている人やおじいちゃんおばあちゃん、みんなごちゃまぜにしてやるイベントなんですが、そこで何か感じ取ったものがある人が、運営しているNPO法人”わっか”や”ゆいのわ”(地域の共助システム。こちらの記事でご紹介しています)のサポートメンバーに入ってくれたり。

その人たちがさらに踏み込んでやれる場所が、このいしいさん家になるのかも。」


久本「それはいいですね。交流センターのようにみんなが通り過ぎていく場所もいいけど、もっと継続して関わって、ゆっくり関係を作っていくステップとして捉えるということだよね。暮らしに落とし込む、というところ」


石井「コツコツ、継続だね。」


今が最後の山かも


健太郎「もうずーーーっと計画をやっていて、たまにほんと心配になるから、今日はみんなに会ってすごく安心しました」


亜佳音「もう5年になりますね…」

健太郎「でもさっきのアトリエで、一つの作品を長く作り続けている子の話を聞いて、だいぶ勇気づけられた…気長に。(あの子たちに)負けられないよね。現実の条件の厳しさとか、こんな苦しい仕事は初めてかも。」

亜佳音「今が最後の山かもしれないね。


それぞれの思いが共鳴して、ここまで来た#52間の縁側 プロジェクト。アトリエの子供たちの作品と、田んぼのおいしい風に元気をもらった今回も、みんなの意思を確認するとても素敵な時間になりました。


今回の締め写真は、けんじ@kenji_yamaさんご提供です。夜に暖かい光が見えるとほっとしますよね。


編集後期

今回の記事はどうしたら健太郎さんのお話と場の雰囲気が伝わるのかなと、右往左往しながらの作成でした。秋晴れの気持ち良い風とそれぞれの思い、ライトアップのワクワクを少しでも身近に感じ、楽しんでいただけていたら嬉しいです。そして、お写真の提供本当にありがとうございました。引き続き募集しております!



取材・編集/きょん
八千代市在住5年の地元密着Webデザイナー&ライター。ADHDとうまく付き合いながら働く幼児2人の母です。
Twitter  Instagram  note

“僕は、背骨になるようなものをつくりたい” 建築家 山﨑健太郎さんインタビュー(前編) #52間の縁側


福祉施設”52間の縁側”ができるまでに密着するironna(イロンナ)メディア。
今回は、設計をされた山﨑健太郎さんにお話を伺います。
プロジェクト発起人の石井さんによると「どこまでも”人”を大切にして建物を作る」建築家。メンバーの考えをどう感じ、どう考えて設計をされたのでしょうか。
後編はこちら

★プロジェクト「52間の縁側」とは?

「52間の縁側(ごじゅうにけんのえんがわ)」は、「第3のいしいさん家」とNPO法人わっかがタッグを組んで始まった、「高齢者・障害をもつ人・生きづらさを抱える人・ファミリー・みんなの居場所」を作るプロジェクト。


介護施設としてデイサービス、日中一時支援をするほか、子どもの遊び場、共助カフェ、障害や生きづらさを抱える人の就職支援など「取りこぼしのない支援」を目指す施設です。


名前は「52間=94m」(1間は1.818m)におよぶ長い縁側の設計から。
プロジェクトについてさらに読む>

52間の縁側の模型。


※前の記事(アトリエ「ティエラ アスール」見学)のあとの取材となります。
アトリエの久本さんが原っぱとレジャーシートを貸してくださり、昼下がりの太陽の下、最高のロケーションでのインタビューが始まりました!

山﨑健太郎(やまざき・けんたろう)
建築家/山﨑健太郎デザインワークショップ代表取締役。
工学院大・東京理科大・早稲田大 非常勤講師、明治大・法政大 兼任講師
「52間の縁側」ではSD Review 2016 入選。ほかたくさんの建築で受賞歴あり。
http://ykdw.org/

思いを持った人の佇まいが、建物にそのまま現れる


−“変わった不動産屋さん”の宮本さんから、「こんな個性的な案件はこの人がぴったりだ!」と山﨑さんにラブコールがあった訳ですが、そんなに「人」や「暮らし」を大切にするようになったのはどうしてですか?

「沖縄の“糸満漁民食堂(いとまん ぎょみんしょくどう)”の設計に携わったときからです。「石積みワークショップ」といって、地域で伝統的に伝わる石積みの工法を再現して、みんなで石を積んだんです。

写真引用:山﨑健太郎デザインワークショップ
http://ykdw.org/works/itoman-gyomin-shokudo/


それがとても、美しかった。それまでもいい建築を作りたいと思っていたんだけど、形がかっこいいとかフォトジェニックなものに惹かれなくなってきて…もっとグッとくるもの。建築はそっちの方がいいんじゃないかと思いました。」


決まったゴールに向かって建築を作るのには限界がある


「自分がイメージできるものには限界があります。なぜって、建築って一度作ると100年残ってしまう。100年先なんてイメージできないですよね。最終的に図面に線を引いたり、材料を選ぶのは僕だけど、僕らが今できる想像なんてたかが知れている

それよりも、そもそも想定しない方がいいかなと。こうしていしいさんがいて宅老所をしていて、そこに亜佳音さんが地域の繋がりを持って誰かを連れてきて。年々どうなっていくかなんて、それは想像できないししない方が面白いなって。」

健太郎さんといしいさん


想像ができない中での「建築の役割」


「でも、何も建築がしないということはいかないので、“何か”最初の大きなもの、背骨みたいなものを示すのが役割だと思いたい。背骨がないと、内臓をつけたり服を着せたりはできないから。だから僕は、石井さんたちのやろうとしているものの背骨をつくりたいと思ってます。」


−背骨ですか。


「この背骨は…今は言葉にはできないです。建築ができたそのあとに、だんだんわかっていく感じかもしれない。展覧会や賞なんかで、いろんなメディアで取材を受けてなんとなく説明はしていますが、目指そうとしているものを見たことがないから本当は説明できないんですよね。



でも、きちんとその人のやりたいことを知って、しかるべき方向に背中を押してあげないと全部”普通”のものになっちゃう。意思に沿ったものがそろったときに初めて、そちら方向に気持ちが膨らむ。中身ありきで、やりたいことがはじめにあったほうがいいですね。」

不安になって顔が見たくなる


「普段は事務所で仕事していますけど、不安になってくるんですよ。今自分たちの設計しているものが、みんなの思いを引き受けられるようになっているのか、どうしておこうか…難しいなって。

そこで不安になって、石井さんたちの顔を見たくなる。今日は何か用があったわけじゃなくて、顔が見たくなったから来たんです(笑)」


−来てみていかがですか。

「来たら海が更に広がってて、いしいさんたちが漂ってました(笑)でも、なんかやってくれそうだから、対応できるように建物内はスカスカさせてます。こんな仕事、今までしたことがない

(一同笑)

イメージの言語化はしないほうがいい


健太郎「まあ、石井さんちのコンセプトなんて今は”ごちゃまぜ “くらいとしか言えないですよね。よくわかんない(笑)」


石井「肌で感じないとわかんないよね。」


亜佳音「私の中では、頭の中に登場人物がみんないるんですよ。顔が浮かんでいて、事務書類なんかで説明文を作る時、その人たちを組み入れて書いてる。」



健太郎「面白いね!僕はこれから使う人たちと会っているわけじゃないから、石井さんみなさん頼みますよ、という気持ち。」


亜佳音「頭の中を映像で映し出せたらいいのに。」


健太郎「でも、むしろ言語化しない方が良かったりします。建築が雄弁に“ここはこう使うもの” “ここは危ないところ”なんて喋りだしちゃったらダメなの。なんとなくここ、こういう感じになってきたね〜というのがいいと僕は思う。


さっきのアトリエ(前記事で見学した場所)はまさにそういう感じでした。あそこに入った瞬間、“ここは自由でいいんだ!”と僕は思っちゃう。ペンキが多少とんでも怒られないし、“自由にものを作る場所だよ”とあそこは教えてくれる。

アトリエ ティエラ アスールの一角。


他のだれがやってもああはならないし、どうしてそうなっているかなんて説明できなくて。カッターマットや材料がたくさん並んでいるから?画集がいっぱいあるから?そういう感じでもなく、説明できない、非言語のコミュニケーション。」


石井「それがいいんだと思う。職人って白黒してないじゃない。”いい塩梅”とか”潮時”とかって感覚を大事にする感じ。」


健太郎「制度があったりで決まったものに向かって設計する場合もあるけど、今回は“確かじゃないもの”に向かってやっていますね。“人”とか“雰囲気”とか。“状況”とか。使う人に主体性がある



今って、冬は寒くならないように、壁は汚れないように、尚且つコストも安く、って全部建築に求められてしまう。建築が全部先回りしたりすると石井さんのいう“塩梅”がなくなってしまって。」


亜佳音「そこは使う側で工夫していきたいね。」


石井「ブリコラージュで。」

※ブリコラージュ:手に入るものを寄せ集め、試行錯誤しながら新しい物を作ること。

やりたいことに応じて、家主がカスタマイズしていく


健太郎「だから、僕は石井さんには”この程度にしかやってないよ”と説明しています。全部はやってないよ、悪いけど石井さんここは工夫してね!って。」


石井「僕も相手に合わせた姿勢でこちらから行かないから、適当だな〜、仕事してないんじゃないか?と言われたりするんだけど、その感覚に似ているかもね。黒子であり、受け身な感じ。」


−いる人たちが自分で考えて使え、そこならではの「空間」ができあがるのを建築で後押しする健太郎さん。石井さんの考え方と通じるものがあるのですね。

後半では、いよいよ健太郎さんが設計に反映させた「背骨」の部分と、一同がびっくりした「52間の縁側」の演出をご紹介します。

後編を読む>
“僕は、背骨になるようなものをつくりたい” 建築家 山﨑健太郎さんインタビュー(後編) #52間の縁側
https://ironna.org/engawa/kentarosan-interview2/




編集後期


取材・編集/きょん
八千代市在住5年の地元密着Webデザイナー&ライター。ADHDとうまく付き合いながら働く幼児2人の母です。
Twitter  Instagram  note

廃材はきらきらの宝箱!アートを主軸に、街全体で子育てを行う「レミダ」とは? #52間の縁側


福祉施設”52間の縁側”ができるまでに密着するironna(イロンナ)メディア。
今回はプロジェクトメンバーが佐倉市のアトリエにお伺いし、廃材を利用したアートの取り組みについてお話を伺いました。
子供の頃、木の実や綺麗なかけらを宝物のように集めたことはありませんでしたか…?

@pinecorn_wkさまご提供

★プロジェクト「52間の縁側」とは?

「52間の縁側(ごじゅうにけんのえんがわ)」は、「第3のいしいさん家」とNPO法人わっかがタッグを組んで始まった、「高齢者・障害をもつ人・生きづらさを抱える人・ファミリー・みんなの居場所」を作るプロジェクト。


介護施設としてデイサービス、日中一時支援をするほか、子どもの遊び場、共助カフェ、障害や生きづらさを抱える人の就職支援など「取りこぼしのない支援」を目指す施設です。


名前は「52間=94m」(1間は1.818m)におよぶ長い縁側の設計から。
プロジェクトについてさらに読む>

52間の縁側のモデル


まえがき:なぜアトリエに?

前回の記事で、廃材を商品として地域でよみがえらせる「SPOTプロジェクト」をご紹介しました。

地捨・地産って?地域を知って、もっと楽しく。 SPOTプロジェクトをご紹介
https://ironna.org/koto/spot_project/

プロジェクトを進める中で、地域で出る廃材がとても多くあること、そして海外で「廃材のアート・教育利用に街全体で取り組んでいる」例があることを発見。
52間の縁側にも、廃材倉庫を作ったり、廃材アートのできる場所を取り入れていったら?との思いを持って、実際に取り組みをしているアトリエにお伺いしました!

アトリエ「ティエラ アスール」


スペイン語で「青い地球」を表すお名前のこのアトリエは、20年前にスタートした子供向けの造形教室。ゆったりとした雰囲気の佐倉市の森の中にあり、久本さんご夫婦が2人で営まれています。


お名前通りの青い空の下、アトリエの前にはニワトリ小屋があり、元気に子供たちがニワトリをだっこしたり、アトリエの前の手作りブランコに揺られたり。
こんな空間で生み出されるアートに多くの人が魅力を感じ、大変人気のある教室となっています。

イタリア・レッジョ市のアートな廃材倉庫「レミダ」

久本さん夫妻がアイディアを得たのが、レッジョ市が街全体で取り組む「REMIDA(レミダ)」を使った造形創作です。レミダは、市とNPOが共同で運営しているリサイクルセンター。街にある複数の企業(MAXMARAなどのアパレルブランドも)が使わなくなった布や毛糸などを納入し、素材倉庫として管理されています。

写真はイメージです


レミダという名前には「やがて黄金に変わるもの」、つまり「この廃材を利用してすてきなものに再生しよう」というメッセージが込められています。廃材は全ての市立保育所・幼稚園に配られ、子供たちの想像力や構築力を養うために使われます。

市民も年パスを購入すれば利用可能。元々教師やアトリエニスタ(造形専門の先生)だったシニアが中心になって運営しているそうです。

アトリエの久本さん(左)にお話を聞く「いしいさん家」の石井さん、「わっか」の宮本さん、建築家の山﨑さん


年1度の”レミダデー”では、作品の発表の場として街中が作品で埋めて尽くされるそう。街のビッグイベントとして、大人も子供もみんなで準備します。子供たちは地域の人々から称賛や祝福を受け、市民の一員であるという自信や、共同性を自然と育まれていくようです。


「作品として街に戻っていくようなイメージだと思います。幼稚園だけとか習い事だけとかではなく、企業も大人も加わった地域全体でレミダに関わり、循環しているんですね」と久本さんは話します。


アトリエでのレミダ的取り組みとは?


さて、いよいよ実際にアトリエに入ると、壁一面に「廃材」=「アート素材」が収納されています。

引き出しいっぱいに素材が詰まっている


ジャンルごとに引き出しに整理されていて、何かのパーツや木片など、大人なら首をかしげてしまいそうな「役に立たなそうなもの」もたくさん。

 
久本さん「廃材は知り合いや、つながりのある事業者が持ってきてくれたりします。建築事務所からの廃材なんて、まさに「宝箱」。 子供たちは目を輝かせるし、サンプルセットなんかはそのまま持って帰りたいという子もいますね(笑)壁紙見本をドールハウスの壁に使ったり、小さなパネルのサンプルを瓦のように重ねて家を作ったり。」

見本とか、事務所だと古いのはどんどん捨てなくちゃいけないんだけど、たしかに面白い素材だな…と建築家の山﨑健太郎さん。

このアトリエにとても刺激を得たと話す山﨑さん。


次ページ:子供たちの意欲を促す、働きかけや工夫とは…?

地捨・地産って?地域を知って、もっと楽しく。 SPOTプロジェクトをご紹介

“ironna(イロンナ)”は、地域共生をテーマに地域のいろんな人やいろんなことを取材するメディアです。今回は、新たに立ち上がった地域活性化プロジェクト”SPOT”(スポット)について取材しました!


どんなプロジェクトなの?


SPOTプロジェクトは、八千代市内で出た廃棄物を商品化して販売することで地域の活性化及び地域のことを市民に知ってもらおうというプロジェクト。 NPO法人わっかが立ち上げ、地元企業やパートナー団体と連携して始めています。Small Piece Of Town(=スモール・ピースオブ・タウン)の頭文字をとって、スポットプロジェクトです。

SPOTプロジェクトのロゴ。パズルのピースが組み合わさったデザインになっています

地捨・地産(ちしゃ・ちさん)”=「地域で捨てられたものを、再利用」するこのプロジェクト。日本ではまだあまり馴染みがありませんが、海外では「企業がリサイクルに取り組む」国もたくさんあるそうで、八千代市で始まったSPOTプロジェクトはその先駆けの取り組みだと言えそうです。

SPOTプロジェクトのイメージ図。廃材、企画、製造まで市内のパートナーで完結させる


素材だけでなく、製造も地域のパートナー団体が行うのも大きなポイント。地域の情報が詰まったストーリーがそれぞれの製品にあります。製品の第一弾として、八千代産コメ袋のクラフトバッグが販売中。製造までのストーリーや思いなど、NPO法人わっかのサイトに詳しく掲載していますのでぜひご覧ください。→SPOTプロジェクトとは?


市内企業の廃棄物を市内で再利用


今回素材提供企業としてこのプロジェクトに快く賛同していただいたのは、市内小中学校の給食牛乳でも提供されている「コーシン乳業株式会社」。デザイン変更で不要となった紙パック500枚をリサイクルのために寄付していただきました。※企業パートナーになった思いについても次回詳しく紹介いたします。

コーシン乳業さん、ありがとうございます!

廃材であるこの紙パックを「紙すき」して、ある素敵なものを作ります。
「紙すき」とは、紙の原材料である繊維質(パルプ)を取り出し、再成型して乾かし、新しい紙を作ること。牛乳パックはパルプが多く良質な原料になるため、手作業でも綺麗に紙として再び生き返るのだそうです。

作業を進めるのは「小池更生園」


製造作業をする団体パートナーは、八千代市小池の高台にある社会福祉法人 心聖会「小池更生園」の入居者の方々。こちらの施設は市内でも老舗の障がい者支援施設です。

これまで企業から仕事としていくつか受注作業依頼を受けていたそうですが、コロナ禍やレジ袋有料化等の社会情勢でゼロに。作業が大好きという入居者の方々のために、同園の職員がこのプロジェクトに参加することに賛同したとのことです。

小池更生園 生活支援課 鈴木係長、原子さん、わっかの宮本さん、梶原さん。紙すきの工程確認などをしています


現在の入居者はデイサービスを含めると68名。主に5つの作業班に分かれ、個人の適正に合った作業に取り組んでいます。味噌作りの班もあり、1つ1つ手作りで製造した味噌を受注もしています(小池更生園 [作業班の紹介])。


手作業の班では実際作業をされている方々と対面しましたが、パズルや手芸に細かいビーズ作りなど各々の得意分野に一生懸命取り組んでいらっしゃいました。今入居者の中での流行りは「切り絵」。折り紙を細かく切って貼っていく作業ですが、その繊細さにびっくり!誰かがやっているのをみて「私もやろう」と興味を持つ方も多いそうです。

真剣に作業を行っておられます


そんな中でもみなさんが大好きな事は、折り込みチラシ等のセットをする受注作業とのこと。「今日は(作業)ないの〜?」と職員に尋ねてくる方もいるそうです。スピードが求めらる作業も多いようですが、この分野が得意な方も多く作業スピードは職員より早いとか!


それぞれの意気込み


-小池更生園の方も、わっかのメンバーも紙すきは初めての作業ということですが、意気込みはいかがですか?

生活支援課 鈴木係長「今回紙すき作りは初めてですが、細かい作業や手作業が得意な方も多いので楽しみですね」

同 原子(はらこ)さん「作業能力は様々ですが、大丈夫です!個人の得意とする分野を主に作業を進めていけるといいですね

わっか宮本・梶原「これを機にいろんな企業の方に協力をしていただき、市民、地域に広く伝わる良い“地産・地消” “地捨・地産”になれることを願っています」

入居者にお話を聞く宮本さん

得意なことはとことん突き詰めていく「小池更生園」入居者の皆さんと、地域の活性化のためにたくさんの活動を進めている「NPO法人わっか」のコラボ作業が始まります。地域に根付いたオリジナリティー溢れた作品が楽しみです。今後の作業風景に乞うご期待!


取材・編集/たいりょうママ
趣味は酒と旅…20代の頃は、一人旅に明け暮れました。今はアウトドアに目覚め、家族キャンプ、夫婦サイクリングが生きがいになりつつあります。これまで旅、結婚・出産・育児を経て、一人では生きていけないことに気づきました。取材とともに身近な事を学んでいこうと思っています!

“ちょっとの支え合いから生まれる繋がりは、本当に困った時に生きてくる” ゆいのわ八千代の生まれた経緯

“ironna(イロンナ)”は、地域共生をテーマに地域のいろんな人やいろんなことを取材するメディアです。今回は2017年に開始された、地域の共助・有償ボランティアシステム「ゆいのわ八千代」の立ち上げに至った思いを、NPO法人わっか理事長 宮本さんの当時のブログからご紹介します。

※説明書きの特にないものはイメージ写真です。

宮本 亜佳音(みやもと・あかね)
千葉県八千代市のNPO法人「わっか」理事長。ファミリー層向けのイベントなど様々な地域活動を実施するかたわら、「52間の縁側プロジェクト」として支援施設を建設中。
プロジェクトについての対談はこちら→「みんなの居場所」を作る!プロジェクト発起人の石井英寿さん・宮本亜佳音さん対談

ゆいのわ八千代のロゴ。いろんなカラーの人たちが支え合っている

はじめに:ゆいのわ八千代とは


ゆいのわ八千代は、NPO法人わっかと八千代社会福祉協議会(社協)が立ち上げた住民同士の共助システム。(社協の取り組みについてはこちらで取材しています)


「買い物が難しい、電球が変えられない」などの困りごとを抱えた人が事務局に申し込みをし、地域の登録サポーターをマッチング。30分500円〜の有償ボランティア制で、支払いはあらかじめ購入した「ゆいのわ券」で行います。

受け取った「ゆいのわ券」は現金交換(1枚で450円分)のほか、市内の協力店舗でお買い物券(1枚で450円分)として使えたり、福祉活動に寄付したりできます。お出かけの付き添いや、草むしりなど日常生活の中のサポートが中心。

市内の各地域で活発な支援が行われていて、米本団地では一番多く年間約500枚のゆいのわ券が使用されているそうです。

http://yuinowa.org/


おばあちゃんやおじいちゃんも同じような事言ってたなぁ

※2017年の手記より

ほぼ毎日いろんな人と話をしています。ありがたい事にいろんな人と会う機会も沢山あるし、様々な年代の人の所へ行く機会も沢山あります。何をしているかというと、話をしたり、聞いたりして、あれそれってあの人なら解決できるんじゃない?とか、あの人が今こんな事してるって言ってたなぁ、みたいなことを思い出して、おつなぎしたりしています。

それが何になるか、と言われたらなんともなんだけれども、とにかく毎日そんな事をして10年が経ちました。(びっくり)

ある時ママさん達と話をしていて、「市境にある子供の塾への迎えは、ファミサポが使えないの」「旦那が仕事柄家を空けることが多くて、子供も小さいし一人がしんどい時があるんだ」。



そうなんだーっ、大変だよね、なんとかできないものか。。

そういえば、おばあちゃんやおじいちゃんも同じような事言ってたな。「おばあちゃんが亡くなって一人になった料理をどうしたらいいかわからないんだよ」「一人でご飯を食べるのは寂しいものだよ」…

なんか、これって助け合えないものなのかな、孤独なママと、近所のおばあちゃんが一緒に子育てしたり、ご飯を食べたりできたりしたら、どっちもハッピーじゃない?

ないなら作ろう!


こうして、みんなが支え合いをしやすくなる仕組みがあればいいのに、と思うようになり、ないなら作ろう!と動き出しました。


無償ボランティアでは続かないだろうから、何か券などで支払いをしたらどうかな?子供が近所のおばあちゃんにご飯を届けたら、券がもらえて、地域の商店で使えたらいいよね!雑貨が買えたり、文房具を買えたり。

ゴミを出すのを手伝って券をもらったら、それでご飯が食べられるといいよね、いつでも好きな時に温かいご飯を地域のお店で食べれたり買えたりしたらいい。


もう、想いが先走りという感じでした。今までお世話になっている地域の店主さん達の顔が浮かんで。

全国にある様々な支え合いの仕組み


実際にはじめるにあたり、他の地域でどんな支え合いが行われているのかを調べました。

埼玉県幸手(さって)市の幸手団地の支え合いは、団地の中の喫茶店のマスターを中心に地域に寄り添った形で行われていました。

共助のアイディアがいっぱい!幸手団地(幸手市)

– 埼玉県共助の総合ポータルサイト 埼玉共助スタイル
kyojo.saitamaken-npo.net


岐阜県可児(かに)市では、地域の「支え愛」事業として、市が主導となりポイントや地域通貨を通じて支え合い活動の育成ができる内容。さらに世代間の交流を促しているところが素晴らしいです。

地域支え愛ポイント制度について
https://www.city.kani.lg.jp/9731.htm


調べてみると、実はもう全国に様々な支え合いの仕組みがある事に気がつきました。

全国の例を見習いながら、八千代市に合うように手探りではじめていきました。そして八千代市社会福祉協議会さんよりお声をかけて頂いて、協働事業として始まったわけです。


自分が大変な時もあるし、少し余裕がある時もある


NPO法人わっかは、地域コミュニティを育みたい。そのためには『地域にはいろんな人がいる』という事を知る事が大切なんじゃなかろうか。

自分以外にもいろんな人がいる。自分が大変な時もあるし、少しの余裕が生まれている時もある。そんな時にちょっとの支え合いから生まれる繋がりは、いざ本当に困った時に生きてくると思う。(困った時がなければ、それはそれでOKじゃない)

それが、ゆいのわ八千代のはじまった経緯です。


ゆいのわ八千代のサポーター会員、協力店舗にご興味がありましたら、お問い合わせページ、ゆいのわfacebookなどよりご連絡くださいね


編集後期

こちらは私がぜひ記事化させてください、と宮本さんにお願いしたものです。もう3年も続いている「ゆいのわ」は、宮本さんのこんな気持ちから始まっていたのでした。今はいっぱいいっぱいの自分だけれど、ふと余裕ができた時、何かできることがあるのかもしれないな。そうやってだんだんと「福祉」「支援」を身近に感じられるようになってきました。

取材・編集/きょん
八千代市在住5年の地元密着Webデザイナー&ライター。ADHDとうまく付き合いながら働く幼児2人の母です。
Twitter  Instagram  note

“こんなに連携のとれている地域は初めて” 52間の縁側の舞台,米本地域の福祉団体といしいさん・宮本さん座談会

ironnaメディアをご覧いただき、ありがとうございます!

『みんなの居場所』として千葉市、習志野市の2箇所に宅老所「いしいさん家」を運営している石井さん。3箇所目として八千代市米本に建設中の「52間の縁側」プロジェクトでは、『地域全体で作るみんなの居場所』という新しい取り組みを開始することになりました。

今回は米本地区について、福祉関係団体の方との座談会の様子をお送りします。

「52間の縁側」プロジェクトについてはこちらでご紹介しています。

※説明書きの特にないものはイメージ写真です。

メンバー

石井さん・宮本さん : “第3のいしいさん家” 52間の縁側プロジェクト発起人。

鈴木亜矢子(すずき・あやこ)写真下
八千代市社会福祉協議会 地域振興課 地域づくり係 http://yachiyosyakyo.jp/

野添江利子(のぞえ・えりこ)写真上
八千代市阿蘇・睦地域包括支援センター センター長 地域包括支援センター(八千代市公式ページ)

拝詞 妙子(はいし・たえこ)写真右
八千代市社会福祉協議会 米本支会 団地班 支会長/ゆいのわ八千代 米本支部長

はじめに:いしいさん家ってこんなところ

いしいさん家は、民家にて運営している宅老所・デイサービス。お年寄り、子ども、障がい者と全ての人が一緒に利用できる場所です。

「いろんな人がいていい。どんな方々も利用していただきたい」というのが石井さんのモットー。現在はコロナ禍で「みんな一緒に」というのが難しいようですが、この現状の中でも支援を求める人たちのために、「今できること」を提供している場所です。

「家にいるような感覚で過ごして欲しい=みんなの家、普通の家」という願いを込めて、「いしいさん家」と名付けたそう。「でも、名前なんてどうでもいいんですよ。要は中身。みんなが笑顔で過ごせる場所を提供していくことが大事ですから」と石井さんは話します。

いしいさん家についてはこちらで詳しくご紹介しています。


“社協”は市町村ごとにある、民間の福祉団体


-まずは、米本地区の福祉支援について伺っていきたいと思います。
社会福祉協議会(以下社協)というのはどんなところでしょうか?


鈴木「”地域福祉”(福祉でまちづくりをすること)を推進する民間の団体です。市役所の隣に所在するためよく市役所の管轄だと間違えられることも多いのですが、公の行政を取り扱う場所ではないんです。

住民の方々と共に住みよい街づくりを目指し、高齢者サポート、医療、教育、ボランティアなど日常生活に関わるもの全てに対し、地域包括センターや各支会と連携を取りながら日々活動をしています。

(注)社協は民間ではありますが法律(社会福祉法)に定められ、民間と公的組織の両面のメリットを生かした組織。八千代社協ではさらに「支会」という地域単位のグループに分かれ、地域の福祉活動を行う住民組織となっています。

-日常生活に関わる全てのものとは大きなスケールです!
活動の様子はfacebookで紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください。

https://www.facebook.com/yachiyoshakyo/

社会福祉協議会のfacebookページ
社協のfacebookページ。とても熱心に更新されています


“包括支援センター”は介護・福祉の専門員のいる市の機関


次に、包括支援センターはどんなところでしょうか。

野添「包括支援センターは高齢者の介護や生活全般の相談やサポートを行っており、介護・福祉の専門員が所属しています。八千代市では6箇所の管轄に区分けされています。

中でも米本を含む阿蘇・睦地区は最も高齢者の人口が多い地区です。特に男性の一人暮らしは年々増えているため、孤立化を防ぐ地域の居場所作りにも力を入れています。幸い周りの方々も協力的で、郵便局の配達員など「最近顔をみかけないから訪ねてみて!」など声かけしていただけるのですごく助かっています。


健康増進のために行っているイベント「メディカルウォーキング(=医学に基づいた歩行法)」はたくさんの方が参加しています。米本団地内の数カ所にスタンプを設置して、スタンプがたまると道の駅で野菜の詰め合わせが貰えるんです。皆さん張り切って参加していますよ!

-色々な取り組みをされていますね。住みやすいからと、他地域から米本に引っ越してこられる方もいらっしゃるそうです。

楽しく孤食問題に挑む「朝カフェ」


-さらに同包括センターの新しい取り組みとして、「朝カフェ」が始まりました。社協の米本支会も協力し、米本団地内コミュニティーセンター「ほっこり」にて提供されています。(現在コロナ禍で休止中)高齢者の孤食問題は、どの地域でも重要課題の一つなのです。


「朝カフェ」では食パン・ゆで卵・サラダなどの日替わりメニュー、そしてドリップコーヒーとまるで珈琲店のモーニングサービスのようなメニューが提供され、利用料は100円。多い時で1回に70食ほど提供しているそうですが、毎朝10名のボランティアの方々と楽しく朝食作りを続けているそうです。

中心となって活動を行なっているのは、米本支会の拝詞さん。

包括センターの野添さんが孤食の話を持ちかけたところ、『この場所でご飯を提供したらいいんじゃない?』と即答されたそうです。地域のモデルケースと称されることに納得の素早さです。

“52間の縁側”への、それぞれの思い

-米本地区に「いしいさん家」ができるわけですが、皆さんどんな思いをお持ちですか。


「この米本に宅老所ができることはすごく嬉しいです。地域のサポートも整っていますし、いつでもウエルカム。お互い協力しながら良い町づくりができることを楽しみにしています


宮本「いしいさん家が来ることで、より強い街づくりができそうです。また米本地区をはじめ、地域で活動している方々についても多くの人たちに知っていただきたいですね。」

石井ここまで地域の方々の連携が取れたサポート体制は初めて見ました。強力な協力者がいてくださって、本当に楽しみです。『いしいさん家』…名称変えても良さそうだね(笑)」


お話を伺って、それぞれが思いを持って支援に取り組んでこられた様子が伺えました。新しい取り組みに対しても前向きで、終始和やかな雰囲気で開催された会合。今後の展開が楽しみです。

52間の縁側についての記事はこちらから順にご覧になれます。


編集後期

コロナ禍で引きこもりの生活を続けていたワタクシ…。でもできることから活動している人達も身近にいる、そう気づくことができた今回の取材でした。

地域で活動している人たちはたくさんいます。日々の暮らしの中で、”不満・不安・不便”はたくさんあります。でもなかなか自分から動くことって難しいですよね。私もそうです。未知の世界だから。
もっと「地域の活動を知る」…今後わかりやすく地域の活動について掲載していけたらと思っています。

取材・編集/たいりょうママ
趣味は酒と旅…20代の頃は、一人旅に明け暮れました。今はアウトドアに目覚め、家族キャンプ、夫婦サイクリングが生きがいになりつつあります。これまで旅、結婚・出産・育児を経て、一人では生きていけないことに気づきました。取材とともに身近な事を学んでいこうと思っています!